近年、動画生成AIが話題になっており、使ってみたいと思っている方が多いかと思います。とはいえ、一括りに動画生成AIといっても多くの種類があり、どれを選んでいいのか迷ってしまいますよね。ツールによって、特徴や機能、料金が異なってきますから、自分に合ったものを選びたいところです。
そこで、厳選したおすすめのツールを計6つ、前編と後編に分けて紹介していきます。前編では、「canva6」「Flexclip」「Runway」の3つを取り上げます。
おすすめの動画生成AIツール①:canva
「canva」は、テキスト入力によるプロンプトから動画を生成するツールです。2013年にオーストラリア発の企業からリリースされたcanvaは、動画生成に加えて、画像生成にも対応しています。デザインの専門的なスキルが無くても、簡単に高品質なデザインを作成できる編集ツールも備わっています。
特徴として、トーキングヘッドビデオという機能が搭載されています。多種多様な人種・年齢をカバーする100種類以上のAIアバターから、自分が好きなものを選びます。40以上の言語から、好みの音声で、指示した原稿を話してくれるのです。
もちろん、自分の音声を録音してアップロードし、AIアバターが読み上げるということも可能です。製品紹介やプロモーション映像を制作する過程で、人間がカメラの前で話す手間を省けます。
生成した動画をcanvaで編集することもでき、メディアライブラリからテンプレートやグラフィックを自由に選びましょう。別の編集ツールを用意する必要がなく、背景の一部を除去するなど、あらゆる作業がcanvaのプラットフォーム上で行えます。動画生成AIというより、デザインツールという表現が適切かもしれません。日本語対応しており、無料版なら誰でも使用できますが、機能に一部制限がかかります。
●料金体型(月額)
canva無料版:0円
canvaプロ:1180円
canvaチーム:1500円/1人あたり
canvaエンタープライズ:要相談(組織向け)
おすすめの動画生成AIツール②:Flexclip
「FlexClip」は、2016 年に香港で設立されたソフトウェア開発会社「PearlMountain」が運営する動画生成AIツールです。豊富なリソースを有しており、6000種類以上のテンプレートや、400万種類以上の画像および動画素材を使うことができます。
●AI動画生成
●AIスクリプト生成
●AI自動文字起こし
●AIテキスト読み上げ
●AI動画多言語翻訳
といった機能を搭載しています。特徴として、テキストを入力するだけで動画を自動生成する機能や、作りたい動画の内容をテキストで伝えると自動でスクリプト(台本)を書き起こしてくれる機能があります。
そのスクリプトに基づいた約30秒の動画を生成しますが、リソースの中からテキストに合う動画を編集する仕組みです。よって、なるべく詳細にプロンプトで指示することが求められます。
FlexClipの活用法として推奨されているのは、InstagramやFacebookなどにショート動画を多数アップするケースです。動画を短時間で生成でき、基本的な編集ツールも搭載しているので、イメージを伝えてどんどん新しい動画を制作しましょう。また、スライドショー機能を活用して、結婚式や送別会といったイベントで流す動画を作る方も多いです。日本語対応しているツールですから、簡単に操作でき、動画制作の労力を大幅に削減できるはずです。
●料金体型(月額)
無料プラン:0ドル
プラスプラン:19.99ドル
ビジネスプラン:29.99ドル
有料プランに加入すると動画生成の長さが無制限となり、クラウドストレージを使用できます。
おすすめの動画生成AIツール③:Runway
Runwayは、2018年に創業されたニューヨークを拠点にするスタートアップ企業です。同社は2023年、GoogleやNvidiaなど複数の世界的大企業から、およそ1億4100万ドル(約200億円)を調達したことで話題になりました。
高精度な動画生成が可能な「Runway Gen-2」が主力製品です。テキストや画像から動画を生成する機能は他の動画生成AIと同じように見えますが、1枚の静止画データを動画に変換することも可能です。
たとえば、自然の中に1台の車が停車している画像から、車が走るような動画を生成したり、キャラクター画像の表情が変化するなど、プロンプトの指示がなくとも数秒程度の動画を作成できるのです。静止画を複数アップロードするとアニメーション動画を生成し、テキストと画像を組み合わせれば一段とリアルな動画に仕上がるでしょう。カメラの動きを設定してズームインやズームアウトを自由自在にコントロール、あるいは動作の強弱を指定するなど、直感的に動画を制作できます。無料版でも有料版でも商用利用可能となっているのはビジネス面で魅力的です。
●料金体型(月額)
ベーシックプラン:0ドル
スタンドプラン:15ドル
プロプラン:35ドル
アンリミテッドプラン:95ドル
エンタープライズプラン:要相談
無料プランだと、透かしロゴが入るほか、動画の画質が720P HDに制限されます。リップシンク(口パク)動画や、テキストからスピーチ動画を制作する場合、プロプラン以上に登録する必要があります。現時点で日本語対応はしていないため、英語でプロンプトを入力しなければなりません。
まとめ
ここまで、「canva6」「Flexclip」「Runway」という3つの動画生成AIに関して、説明してきました。無料で使用できる日本語対応の動画生成AIも増えていますから、日本語の方が安心という場合、「canva6」や「Flexclip」がおすすめです。「Runway」は英語表記ですが、前述の通り多くの企業から資金調達するほど注目を集めるツールです。世界中に利用ユーザーがいて、Youtubeに解説動画も多数投稿されているので、興味がある方はぜひチェックしてみましょう。【後編】では、「InVideo」「Pictory」「Sora」の3つを取り上げますので、そちらもぜひご覧ください。