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生成AIの関連銘柄の本命と事業内容を解説

生成AI関連のおすすめ銘柄

人工知能、いわゆるAIの分野において、生成AIはひときわ注目度が高い分野です。今や日常的に使用され、2023年の「新語・流行語大賞」にノミネートされたchatGPTを筆頭に、画像生成AIや音声生成AIが多くの場面で活用されています。
電子情報技術産業協会によれば、生成AI市場の世界需要額は年平均53.3%で成長する見込みです。2023年の106億ドル(約1兆6000億円)から、2030年には2,110億ドル(約32兆円)と約20倍に拡大するといわれています。これから数年間、市場成長がほぼ確実視される分野ですから、生成AIに関連する企業も大きな成長が期待できますよね。
そこで今回は、生成AIにおける国内の関連銘柄を3つピックアップして、詳しく解説していきます。

生成AIの関連銘柄その①:さくらインターネット

さくらインターネットは、1996年に創業したデジタルインフラを提供するIT企業です。データセンター運営やクラウドサービスの開発に強みがあり、生成AIの利用を想定した大規模クラウドインフラを整備しています。
同社は、2023年から2024年の間、最も株価が大きく変動した注目銘柄の1つです。その理由を紐解いてみましょう。

この1年余りで、実に様々なニュースが発信されました。
①政府・地方自治体システムの共同基盤「ガバメントクラウド」の提供事業者に選定
②経済産業省がスーパーコンピューターの国内整備に向けて、最大500億円を補助
③2030年度までにクラウド事業などに総額1,000億円を投資すると発表
④国立情報学研究所から、大規模言語モデル構築向けクラウドサービス一式を受注

株価は、2023年11月時点で1,000円程度でしたが、それから4ヶ月で急騰します。2024年3月には10,000円の大台を超える躍進を見せ、生成AI関連の最注目銘柄と言われました。さすがに上昇ピッチが早すぎたのか、その後はしばらく調整局面を迎え、2024年12月時点では4,500~5,000円前後で推移しています。
2027年12月末までに「NVIDIA HGX B200 システム」などのGPU を約8,000基購入し、生成AI向けクラウドサービスを拡充する計画を立てています。業績が伸びるのはまだまだこれからです。

独立系データセンター事業会社という企業イメージを持たれるさくらインターネットは、将来的にこのクラウドサービスが新たな収入源になると期待しています。日本最大級の郊外型データセンターを北海道石狩市に所有しており、広大な敷地と北海道ならではの環境メリットが魅力です。首都圏のデータセンターを利用する企業が、自然災害などのリスクを分散する目的で、同社の石狩データセンターを併用するケースも多いようです。

生成AIの関連銘柄その②:PKSHA Technology:

PKSHA Technologyは、2012年に創業した人工知能技術の研究開発やAIソリューションを提供するIT企業です。読み方は「パークシャテクノロジー」で、2017年に新規上場を果たしました。
同社は、上場当初からAI分野に特化しており、生成AIの根幹となる独自の大規模言語モデル「PKSHA LLMS」を拡販しています。また、機械学習/深層学習技術に関わるアルゴリズムを研究開発、およびAIソリューションの開発・AI SaaSの提供を行っています。
アメリカ・マイクロソフトが2023年に発表した深層学習モデル「レットネット」を採用し、現在主流の大規模言語モデルに比べて3倍の速度で回答生成ができるそうです。特に長文理解に優れている方式で、企業の顧客応答センターのニーズに応えるなど、社会実装を推進しています。

気になる株価についてですが、上場時から脚光を浴びた銘柄とあって、2018年と2019年に高値を付けます。その後、コロナショックや新興市場の低迷が重なり、長期の調整局面に突入しました。
さくらインターネットと同様、2024年1~3月頃に生成AI関連の銘柄が物色され、PKSHA Technologyも再び高値を目指します。しかし、2019年の高値を上回ることはできず、2024年12月時点では4,000円前後で推移しています。

売上高を年々増加させているほか、トヨタ自動車が出資して大株主に名を連ねるなど、将来性を強く感じる企業です。チャットアプリの自動対話、ECサイトでの商品レコメンド、医療画像診断など、同社のAI技術が今後様々な業界で活躍することでしょう。

生成AIの関連銘柄その③:ソフトバンクグループ

孫正義が1981年に創業し、代表取締役会長兼社長を務めるソフトバンクグループも、生成AIの本命銘柄の一つです。同社は、上記に挙げたベンチャー企業とは異なり、自社で生成AIの開発を行っているわけではありません。
AI関連企業への投資を加速させており、たとえばchatGPTを開発したアメリカのOpenAI社に最大2,000億円超の追加投資計画を発表しました。自動運転技術の実用化を目指すイギリスのウェイブ・テクノロジーズに約1,600億円の資金を投じたことも話題になりました。他にも、イギリスの半導体設計大手であるアームなど、AI向け半導体やデータセンター、ロボットを開発する企業への投資に注力しています。

孫正義は、「10年以内に人間の知能を1万倍超えた“超知性”が実現する」「感情を理解して人間と調和を取る段階に進む」と自身のビジョンを語っています。さらに、今後2~3年以内にAIが買い物代行など個人向けの“エージェント”という機能が始まるとも述べていました。
AIは人間のような感情を持ちませんが、その常識すらも将来覆る可能性が十分あるということです。今や投資会社となったソフトバンクグループは、孫正義の目利きで、どの企業に投資するかの選別が業績を左右します。一時期は大赤字を叩き出し、世間から批判を浴びる場面もありましたが、直近では投資先企業が成長し、大きな利益を生み出しています。

まとめ

この記事で取り上げた銘柄以外にも、日本を代表する超大手から、上場したばかりのベンチャーまで、生成AIに携わる企業は多数あります。事務機器が有名なリコーが、カスタマイズを容易に行える大規模言語モデルを開発して顧客に提供するなど、生成AIのイメージが薄い企業も取り組みを加速させているのです。
ひとつ残念なのは、ソフトバンクグループが投資するのは海外企業がほとんどです。孫正義のお眼鏡に適う企業が、日本にはほぼ無いというのが実情です。chatGPTのOpenAI社など、AI分野を牽引するのはアメリカや欧州の有力企業です。日本国内から、欧米のAI企業を凌駕するような存在が現れることを期待しましょう。

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