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Adobeのソフトで生成aiはどこまで進化した?調査してみた

adobeのai機能

画像や動画編集ツール製品を提供し、世界トップシェアを誇るAdobeは、10年以上前からAIに関する研究・開発を実施してきました。現在、同社のサービスには100種類以上のAI機能が搭載されています。Adobeといえば、画像編集ツールのPhotoshopやIllustratorが有名ですが、これらのサービスにも多数のAI機能が追加されているのです。AI機能を搭載したことで、利便性がどう向上したのでしょうか。本記事では、Adobeソフトウェアに関するAIの最新情報について、PhotoshopとIllustratorを中心に解説していきます。

Photoshopのai機能について調べてみた

2024年7月、Photoshopのデスクトップ版がアップデートされ、新機能が追加されました。Adobe Fireflyの画像生成機能(テキストプロンプトから画像を生成する機能)がPhotoshopでも利用できるようになったのです。最新モデルのimage3を搭載しており、テキストボックスに生成したい画像のイメージを入力するだけで、AIが自動で高クオリティなコンテンツを作成します。
また、画像の背景を簡単に置き換える機能も登場しました。編集したい画像を読み込ませ、一度背景を削除した後、テキストプロンプトを入力すると、指示通りの背景に変換できます。バリエーションが複数表示されるので、好みの画像を選択可能です。

このように、手間がかかる作業を大幅に短縮できるようになったPhotoshopですが、まだまだ役立つ機能が多数あります。Photoshopの主なAI機能をまとめて紹介していきましょう。

●不要なモノや人物を除去
●生成塗りつぶし
●背景の拡張
●新しい背景を作成

生成塗りつぶしは、既存画像の好きな位置に新たなオブジェクトを追加する機能です。コンテキストタスクバーから「生成塗りつぶし」を選択して、プロンプトにテキストで入力すると、画像に挿入することができます。人間、動物、景色など、何でも構いません。自分が追加したいものをAIに伝えるだけです。
画像の背景を拡張したい時は、ツールバーから切り抜きツールを選択します。そうすると画像にフレームが表示され、フレームをドラッグすると自由に拡大できます。生成拡張のプロンプト入力バーを空欄のまま生成ボタンをクリックすると、自動で元の画像に合った背景を生成します。広告用画像で、文字やロゴを挿入したいけどスペースが無い時などに便利です。

Illustratorのai機能について調べてみた

イメージ編集ソフトウェアのAdobe Illustratorでも、生成AIの技術を利用することが可能です。Illustratorは2023年10月にアップデートを実施して、生成AI機能が搭載されました。テキストプロンプトを入力するだけでベクター画像を作成できます。
使い方は非常にシンプルで、メニューバーまたはコンテクストバーから「テキストからベクター生成」ツールを選択します。画像の形状(長方形/楕円形/多角形/スター)を選び、画像サイズを調整します。生成画像は指定したサイズ内に作られるため、用途をふまえて判断してください。
プロンプトには、具体的な情報を複数入力すると良いでしょう。まずメインのオブジェクトを決めて、次に周辺環境やディテールを構成します。雰囲気やタッチもあわせて指示すると、より洗練されたイラストが出力されます。
生成された画像は、バリエーションのところに3パターン異なるものが表示されます。もし気に入らなければ、再度生成(Beta)をクリックすると、別のパターンが出てくるので、何度でも修正可能です。そもそも自分のイメージと遠い場合、プロンプトを変更したほうがいいかもしれません。ベクター画像作成機能にも、Illustratorにはこんな機能が備わっています。

●ディテール
●生成再配色
●生成塗りつぶし
●スタイルピッカー

ディテール機能は、イメージのテイストを0から5まで段階別に調整できます。0に近いほどシンプル、5に近いほど複雑で凝ったイラストになる仕組みです。プロンプト入力欄の下にある歯車マークをクリックすると調整画面が表示されます。

生成再配色は、ベクター画像の配色を変えたい時に役立つ機能です。特定の画像を選択するか、グループごとにまとめて編集でき、イメージのプロンプトを入力してテーマに沿った色合いに変更もできます。画面上で仕上がりを確認し、納得いくまで何パターンも試してみましょう。

その他のAdodeソフトでおすすめのAI機能は?

PhotoshopやIllustratorはいずれも画像生成ツールとして人気が高いです。それ以外にもAdobeは、生成AI機能を搭載したサービスをリリースしています。おすすめの機能をピックアップします。

①AcrobatおよびReader

「AIアシスタント」と「生成要約」というAI機能を活用できます。PDFなどの文書ファイルをアップロードすると、見出しと要約をまとめた概要を自動的に作成してくれます。たとえば、契約書といった長文から重要な部分を引き出し、時間を節約しつつ理解を深めることを可能にします。AIアシスタントは、「文書に基づいて質問に対する回答」「Microsoft TeamsやZoomミーティングの文字起こしサポート」など、メールやプレゼンテーションの作成に活かせる機能を有しています。長い文書の作成は時間を要しますが、AIアシスタントによって効率的に作業を進められるでしょう。

②Adobe Express

SNS投稿用のビデオやコンテンツを簡単に作成できるツールです。豊富なテンプレートを使いながら、動画や画像、広告用チラシを誰でも気軽に制作できます。画像生成AI「Adobe Firefly」に対応した機能を搭載したのが魅力です。「生成塗りつぶし」と「テキストからテンプレート生成」を含んでおり、生成したいコンテンツのイメージをプロンプトで指示すると、自動的にアウトプットしてくれます。SNSアカウントのヘッダーなど、自分で制作するのは面倒だけどある程度のクオリティが欲しい、そんな時に役立つ機能です。

まとめ

Adobeのソフトは編集ツールとして非常に性能が高く、多くのクリエイターから親しまれているサービスです。AI機能が備わったことで、デザインの専門家ではないユーザーでも簡単に高品質なイラストを作り、同ソフトで編集作業をできるようになりました。アイデアをゼロから構築する必要がなくなり、テキストでイメージを伝えれば、AIが自動でプロンプトに沿ったイラストを作成します。画像を制作することへのハードルがグッと下がったのは間違いないでしょう。最近登場したAIツールに不安を抱く方でも、世界中にユーザーを持つPhotoshopやIllustratorなら信頼を置けるはずです。一度使ってみると、あまりの便利さに驚くかもしれませんよ。

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