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ディープシークを問題視する動きが加速している?ディープシークに関する最新動向

中国のディープシーク

中国企業が開発した生成AI「DeepSeek(ディープシーク)」が、世界中を震撼させる事態となっています。ChatGPTのo1モデルに匹敵する性能を持つ一方、開発費用がおよそ1000分の1という低コストなのが衝撃です。最新の高性能半導体を使用しなくても生成AIを運用できると認識され、アメリカの半導体大手「NVIDIA(エヌビディア)」の株価が急落するなど、株式市場にも多大な影響を及ぼしました。急激にユーザー数が増えるディープシークに対して、警鐘を鳴らす専門家も少なくありません。一体なぜでしょうか?
本記事では、ディープシークを使用する方法や注意点に関して詳しく解説します。

deepseekは何が問題視されている?

重大な問題点だといわれているのは、データ及びプライバシーの管理です。ディープシークの利用規約およびプライバシーポリシーを確認すると、問題部分があらわになってきます。
同社のプライバシーポリシーでは、「ユーザーから大量の個人情報を収集して中国の安全なサーバーに保管する」と明記しています。そのうえで、“個人情報”には下記の情報が含まれます。

●メールアドレス、パスワード、生年月日、電話番号
●テキストプロンプト、音声、チャット履歴
●技術情報(携帯端末の機種、IPアドレスなど)

利用者がアカウントを作成する際に入力するプロフィールや、ツールを使う時に入力する文章や音声データもすべて収集されます。ディープシーク社はこれらの情報を、安全性・セキュリティーを向上させる目的で活用するそうです。
ただし、他の生成AIツールと比較しても収集する情報の種類が多く、特定人物の行動パターンなどプライバシーに関わる部分を同社に把握される懸念があります。ChatGPTも入力されたテキストを学習データに活用しますが、入力データをChatGPTの学習に使わせない「オプトアウト」という機能を有しています。ディープシークには現時点で同様の機能がありません。

自動的に様々な情報を収集されるため、ユーザー自身が注意しないとプライバシー情報を自分から提供する形になってしまうのです。中国では、国民や民間企業に諜報活動への協力を義務づける「国家情報法」が存在します。ディープシーク社も当局の情報収集に協力するため、保管した個人情報を差し出す可能性を否定できません。

日本におけるdeepseekの対応について調べてみた

ディープシークは2025年1月末、日本のiPhone向け無料アプリランキングでChatGPTを抑えて1位に躍り出ました。国内でも大きな反響を呼んでおり、注目度の高さが窺えます。上述した通り、ディープシークは幾多の問題点が指摘されている状況です。日本政府は同ツールについて、政府機関などに対し業務利用を控えるよう文書で注意喚起を行いました。もし利用する場合、内閣サイバーセキュリティセンターとデジタル庁に助言を求める必要があると述べています。
また、政府の個人情報保護委員会は、「個人情報などのデータに中国の法令が適用されるため留意が必要だ」としながらも、規制には踏み切りませんでした。「今できることは、利用者に個人情報が中国で管理されることを知らせることだけ」とコメントし、毅然たる対応が難しいようです。

現状では一律の禁止措置を取らない方針を示しており、利用制限をかけている諸外国とはだいぶ異なります。林芳正官房長官は記者会見にて、「政府の対応方針を徹底する観点から文書を出した。AIに関する課題については引き続き関係省庁や専門機関が連携し情報収集を行っていく」と述べました。生成AI技術から一定の恩恵があることは認めていますが、リスク管理の強化が必要なのは間違いないです。AI分野で先進国に遅れを取りたくない日本として、中国発のディープシークにどう向き合うのか、引き続き検討が求められます。

deepseekの使い方を簡単に解説

ディープシークは現在、アプリなどを通じて日本でも使用することが可能です。スマホアプリは、iOS版・Android版がそれぞれ用意されており、セットアップするだけですぐに利用開始できます。
アプリをインストールしたら、メールアドレスもしくはGoogleアカウント連携のいずれかでアカウント登録してください。登録が完了後、日本語で質問やテキストを入力すれば回答が生成されます。

WEBブラウザ経由で使用する場合、ディープシーク社の公式サイトにアクセスして、アカウントを作成またはログインをクリックします。メールアドレスを入力するかGoogleアカウントで登録するか選択し、登録手続きが終わったらすぐ使えます。2025年1月にリリースされたばかりの最新モデル「R1」に変更する場合、DeepThinkボタンをクリックしましょう。
Microsoft Azureのモデルカタログに追加されたことで、同プラットフォーム上でも利用できるようになりました。サインイン後にDeepSeek R1を検索すると表示されます。

さらに、自社のサービスにディープシークを組み込んで開発することも可能です。APIキーを取得するためには、アカウント作成後、BilldingからAPIキーに進んでください。ただし有料なので料金を前払いしないといけません。

まとめ

ChatGPTが世界的に普及し生成AIブームが盛り上がっているところに、中国から突如“ブラックスワン”が登場しました。既存の常識を超越する低コストの大規模言語モデル(LLM)がリリースされ、市場は大混乱に陥ったわけです。とはいえ、冷静にディープシークを評価すると、出力する内容の精度に欠陥が見られたり、プライバシー面の懸念事項が多いなど、安心して利用するのは不十分な要素があれこれ目につきます。ChatGPTを凌駕する存在になると今のところは考えにくいですが、中国企業が本気を出したら何が起こるか予測がつきません。ディープシークがアメリカのIT大手を脅かすことになるのか、今後も動向を追っていきましょう。

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