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chatGPTをクローズド環境で使うにはどうすれば良い?徹底解説

chatgptのクローズド環境

業務効率の改善など、様々なビジネスシーンにおいてChatGPTが役立つと期待されていますよね。多くの企業が、ChatGPTの導入を検討していますが、そこには大きな問題が存在します。
ChatGPTは不特定多数のユーザーが使用できるため、社内の機密情報が漏洩するリスクが潜んでいるのです。過去には、重要な機密情報であるコードが流出するトラブルも起きており、心配になる方も多いでしょう。
そうした問題を避けるため、ChatGPTをクローズド環境で使うという方法が広まっています。クローズド環境を活用すると、どんなメリットがあるのか、どんな仕組みでセキュリティを保つことができるのか、これから紹介していきます。

そもそもクローズド環境とは?仕組みやメリットを解説

まず始めに、“クローズド環境”の一般的な定義について説明します。
インターネット用語で、クローズド環境とは特定のネットワーク及びシステムへのインターネット接続が制限または完全に隔離された状態を指す言葉です。あらかじめ限定されたユーザーのみがアクセス可能な環境となっているため、閉ざされたネットワークといえます。

機密情報を扱う企業や組織にとって、重要なデータの安全性を確保することは極めて重要です。クローズド環境にすることで、不正アクセスによる情報漏洩やデータ改ざんを防げるわけです。
ChatGPTは通常、誰でも自由に膨大なデータから生成される情報を享受することができます。もし、機密性が高い情報をChatGPTに学習させる場合、第三者がその情報を意とせず知ってしまうケースは十分考えられます。そのようなリスクを回避するためには、クローズド環境に設定することが必要です。

クローズド環境にする手順として、次の3つのステップを行ってください。

①ChatGPTのAPIを取得し、それを自社システムやネットワークに組み込む
②ChatGPTがアクセスできるデータに制限をかけるための設定をする
③ChatGPTの使用を監視するシステムを設置する

①の段階で、APIキーの取得、適切なコードの記述が必要です。そして③に関して、監視システムとはログの定期的な確認や異常な活動を検出する機能などを有するものです。
この手順によって、クローズド環境を実現できますが、決して簡単ではなく、専門的知識が必要です。AIやプログラミングの知識に富んだ者、あるいは外部企業に委託して、作業を進めましょう。クローズド環境で使用するメリットは、主に下記の2つです。

●情報セキュリティの向上
●社内業務の効率化

オープンな環境のままだと、機密情報などが外部に漏れるリスクがありますが、クローズド環境で使用すればリスクは大幅に削減されます。また、社内の重要な情報、たとえばガイドラインや過去のプロジェクト内容を参照したい場合も、すぐに把握して作業をスピーディーに実行できるはずです。

chatGPTをクローズド環境で使用しても学習はするの?

ChatGPTは、Webページや書籍など大量のテキストデータをAIが学習して、情報をインプットします。データ量が増えるほどchatGPTが賢くなる、というイメージです。
では、クローズド環境で使用する場合でも、AIに自社の機密情報を学習させることは可能なのでしょうか。外部に漏れることを防ぐために設定するのだから、学習しないのでは?と不安になるかもしれません。

この点、クローズド環境でChatGPTを作動させる時には、自社サーバーでデータを管理する方法が一般的です。外部から隔離され、社内ネットワーク内でのみアクセス可能なサーバーなら、情報漏洩の危険性は低いといえるでしょう。クローズド環境においても、企業の専門的な情報やデータを学習させ、自社独自のChatGPTを構築できるのです。入力データがインターネット上に流れないので、その情報が第三者への回答に用いられる心配もいりません。

ちなみに、ChatGPTを利用する際、オプトアウトという設定に変更すると、AIに学習させないようにできます。理論上は情報共有を拒否するわけですが、本当に学習していないか、第三者に利用されていないか、確認する方法は現時点で無いです。機密情報を守る目的だと、オプトアウトに設定するだけでは不十分と言わざるを得ないでしょう。

社内版chatGPTの活用例を解説

一般的なオープン環境とは異なる、クローズド環境におけるChatGPTは、どのような活用方法があるのか紹介していきます。多くの業界で注目されているのは、ChatGPTのカスタマイズです。企業ごとに独自のAIアシスタントを構築することで、業務の生産性向上や新規ビジネス創出が期待されます。

たとえば、Microsoftが提供するサービス「Azure OpenAI Service」をあわせて導入すると、学習させた情報はAzure上に保管されます。クラウドサーバーのような役割を果たし、ここで管理する情報はMicrosoftすらアクセスできません。社内規定や業務マニュアルを学習させ、社員だけが閲覧できる社内FAQとして活用する事例があるようです。
また、法律や医療など、膨大なアーカイブを持つ業種ですと、過去の判例や症例をAIにインプットさせ、社員の業務効率化を図ることができます。専門知識を必要とする分野はAIと相性が良いといわれる一方、顧客情報は機密性が高く、外部に漏れることは許されないですよね。ChatGPTで一元管理できれば、企業として生産性が大幅に向上するのは間違いないでしょう。

まとめ

日本国内でChatGPTの活用はまだまだ発展途上です。上述した通り、情報漏洩リスクが懸念されたため、本格的な導入を不安に感じていた方もいたはずです。
クローズド環境で使用する技術が普及すれば、企業が想像する以上にメリットが大きいはずです。自社オリジナルのChatGPTを開発し、専門的かつ他社が保有していないデータを持つ学習させていくと、ChatGPTそのものが重要な無形資産になるかもしれません。ChatGPTを業務に取り入れる際には、万全な情報セキュリティ対策を講じ、機密情報の漏洩リスクを無くすことを欠かさないでください。

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