Chatgptは非常に便利なサービスですが、使い方によって結果が異なることがあります。指示を出しても、自分が頭に描いていたような回答が出てこなかったり、あいまいな内容でしか返答がなかったりするケースはたくさん見られます。こうした問題を避け、上手に使うためには、プロンプトの書き方が非常に重要になってくるのです。そこで、この記事ではchatgptを有効活用するためのプロンプトの書き方のコツを紹介していきます。
chatgptのプロンプトの概要
chatgptのプロンプトについての基本をおさらいしておきましょう。プロンプトとは、AIにやってほしいことを明示した命令文です。Chatgptでは、画面下部にあるチャット入力欄に記入することによってプロンプトを書きます。生成AIは、人間同士の会話のような形で命令を出すことができ、柔軟性に富んでいるため、命令の意図を汲み、複雑な指示に答えることができます。
プロンプトにはいろいろな形式を取ることができます。たとえば、「〜してください」といった命令の形で指示を出すこともできますし、「○○とはなんですか?」と質問形式で記述することもできます。箇条書きで要望や条件を挙げていったり、異なる複数の言語を同じ命令文の中に挿入したりすることも可能です。さらに、chatgptでは通常のテキストだけでなく、画像やプログラミングコード、エクセルのマクロ、表データなどを入れて、解析させることもできます。
またプロンプトの長さに大きな制限はありません。短い文で命令を出すこともできますし、非常に長い内容を入れることも考えられます。長い命令文にすることによって、より詳細で具体的な指示を出せますので、精度が上がるケースが多いです。とはいえ、書き方によって回答が変わってしまう可能性があることに変わりありません。人間相手の会話でも同じですが、ちょっとした表現の仕方によってとらえ方が変わることはよくありますし、あいまいな指示だと出てくる答えの方向性が異なることもあり得るのです。
プロンプトの上手な書き方
こうしたchatgptのプロンプトの考え方を踏まえると、自分が求める回答を得るためには、条件を絞り込んで具体的な命令をすることが重要です。たとえば、「外国人に人気の物は?」と聞く場合よりも、「観光で日本に来ている外国人がよく買っているお土産は?」と聞いたほうが、質問の意図が分かりやすく、ジャンルを絞り込めます。このように、場所や時間、対象者、背景などをできる限り入力していくことで、精度を高められるのです。
ここで大事なのは、できるだけあいまいな言葉や表現をカットすることです。その一つのポイントとして、できるだけ数字を使って指示することが役立ちます。たとえば、「できるだけたくさんのアイディアを出してください」というよりも、「アイディアを10個出してください」と言ったほうが良いわけです。また、「短い文章で答えてください」というよりも、「100文字以内にまとめてください」といった形のほうが、求めている答えを得やすくなります。
そして、回答の仕方について条件を付けることです。動画を作成しているクリエーターが、chatgptに脚本を書かせていると想定します。その場合は「主人公目線で、ですます調で」など、表現形式を絞り込むことで、使いやすい回答を得られます。資料作成をしているのであれば、「○○にまつわる統計データを基に、30代女性を対象として公開するため、最も人気を集めそうなジャンルを10個、箇条書きにして教えてください」と記述することによって、シンプルに答えを確認できるでしょう。自分がどのような目的で回答を求めているか、その表現形式を指定すると、使いやすい情報を手に入れられるのです。
気を付けたい点として、禁止もしくは制限をする形の命令はできるだけ避けましょう。すべきことを指示することが重要です。「難しい言葉を使わずに、次の○○について説明してください」よりも、「10代の子どもでも理解できる簡単な言葉を使って、○○について説明してください」という命令のほうが良いということです。禁止だけされると、実行可能なアクションがたくさん存在し、どうしてもあいまいな回答になってしまいます。すべきことをストレートに命令すれば、その条件に適った明確な回答が返ってきます。
より効果的なプロンプトにするために
こうしたいくつかの基本的なプロンプトの書き方を押さえた上で、さらに効果的な命令を出す方法を試してみましょう。というのも、いくら詳しく命令を記述しても、100パーセント望んでいた回答を得られないことも多々あるからです。そのような場合は、返ってきた答えに対して、さらに質問を加えるという方法を採ると効果的です。たとえば、「○○の内容について、もっと詳しく説明してください」とか、「○○について、もし○○のような条件だったらどうなりますか?」といった具合に質問するわけです。人間同士の会話でも、一度に完全な答えを期待するのではなく、会話の中で最終的な答えを作り上げていくのに似ています。
あらかじめ、回答の形式について決まったイメージがあるなら、それをプロンプトの中に挿入するのも効果的です。「○○について説明してください。回答の仕方は次の形にしてください。」と記述した後に、見出しや番号順の箇条書きの仕方などの例を記します。このような命令文にすると、例示した形式に当てはめて回答を出してくれますので、レポートなどではそのまま使える便利な記述内容となります。
対象者について絞り込むことも、プロンプトの効果を高めるコツです。これは特に、クリエイティブ性が求められるコンテンツ作成やマーケティング用のコピー、プレゼン資料などに当てはまります。単に「顧客用に」と記述するのではなく、「○○に興味を持ち、資料を請求したことがある40代の夫婦を対象にして」と書いたほうが、ターゲットに合った回答を教えてくれます。
もう一つ覚えておきたいのは、生成内容の精度を上げる重要なポイントとして、最新のモデルを使うことです。Chatgptは日々AIの学習深度や仕組みを改善していて、次々に新しいモデルを投入しています。
2024年5月にはchatgpt-4oが登場して、従来モデルよりも圧倒的な精度とスピード向上を達成しています。このモデルでは、無料ユーザーはアカウントを作り、ログインしないと使えません。ログインしない状態だと、古いモデルしか稼働しない仕組みとなっています。同じような内容のプロンプトで命令を出しても、新旧のモデルの違いによって、生成される文章の精度や表現が変わってくる可能性が高いので、最新モデルを使ったほうが有利なのです。
chatgptはプロンプトの書き方によって、その結果が大きく変わってきます。上手にchatgptを使いこなすためには、ユーザー側としても書き方のコツを覚えて、AIにとって分かりやすく、回答しやすいプロンプトを記述することが重要というわけです。取り上げた内容を実践して、chatgptを最大限活用しましょう。