AI技術が人々の身近にも少しずつ浸透してきた現代においては、AIをいかにビジネスとして活用できるかが企業の課題にもなってきています。AI技術はさまざまな作業の自動化や提案など、業務を大幅に効率化できる可能性を秘めており、ChatGPTのような生成AIは実際に多くの企業が導入しつつあります。
そんな生成AIの中でも、近年注目されているのが「claude3(クロードスリー)」です。 claude3はChatGPTよりも優れている面があるとして注目されており、今後は利用者が増えるとも期待されています。
今回は、claude3が日本語対応しているのか、そして日本国内の活用方法についての事例を紹介します。
claude3とは?
claude3は、アメリカのAnthropic社が提供している大規模言語モデルです。ChatGPTのように対話形式で利用できる生成AIであり、日本を含む150以上の国で公開されています。
claude3は「Sonnet」「Haiku」「Opus」の3種類に分かれており、それぞれで特徴が異なります。登録するのみで利用できる無料モデルの「Sonnet」は、claude3の中位モデルとして、速さや精度の高さをバランスよく備えたモデルです。下位モデルである「Haiku」は速さと軽快さを重視したモデル、そして「Opus」は高度な知識を有する上位モデルとして、さまざまな機能を存分に利用できます。それぞれで異なる特徴を持っているため、自身や企業に応じたプランを選択するのが望ましいです。
各社が有するチャットボットAIに人間用IQテストを実施したところ、人間のIQ平均値とされる100を上回ったことも明らかになっており、その精度の高さがうかがえます。中でも、上位モデルの「Opus」は学術レベルの高い専門知識や算術能力を備え、あらゆるデータの分析や予測も可能となっているのが大きな特徴です。画像認識の精度も非常に高く、犬の画像を認識させると犬種まで判別できるほどに高性能な実力を持っています。
claude3は日本語に対応している
海外発祥のツール全般に言える悩みとして多いのが、日本語対応しているかどうかです。しかし、claude3もChatGPTなどの生成AIと同じく、日本語にも対応しているため、安心してください。質問文を日本語で入力することで、自動的に日本語で回答文を生成してくれます。
また、claude3で生成される日本語については評判も高く、ChatGPTなどで生成される日本語よりも自然な文章で高精度だとも言われています。特に、上位モデルの「Opus」で生成された日本語は特化されたもので、質問文の意図を正確に理解した日本語の回答を生成してくれるため、大変便利です。これまでの生成AIでは課題であった、AI独特の日本語の癖がなくなり、違和感なく読み進められる文章になっています。日本語を多用する職場などで生成AIを活用する場合は、claude3を使うことでより効率的に業務を進められるでしょう。
日本語の質問によるコード生成も可能?
claude3の特徴のひとつとしても挙げられるのが、高精度なコード生成が可能な点です。システム開発にはプログラミングが必要不可欠ですが、そのプログラミングで欠かせないのが機能を実装するためのコードです。開発するシステムの性質や企業の方針によって利用するプログラミング言語にも違いがあるため、エンジニアは日々言語の習得に努めてコードを書かなければなりません。
しかし、claude3を使うことで、基本的な機能であれば質問文に入力するだけで、各言語に応じたコードを自動で生成してくれます。これを上手く活用すれば、エンジニアは開発時間を大幅に短縮できるというわけです。
claude3は日本語にも対応しているため、どういった機能を実装してほしいかを正しく日本語で説明できれば、その通りのコード生成も問題なく行えます。コードをゼロから生成するだけでなく、すでに作られたコードをclaude3に確認してもらい、記載の不備やもう少し効率的な記述に直してもらうといったレビュー・デバッグも可能です。上位モデルの「Opus」であれば高度なプログラミングにも対応しているため、複雑な処理の実装もclaude3の力を借りて実施できるでしょう。
Webサイトなどは、質問文でサイトのイメージを伝えるだけで、一通りのHTMLやCSSのコードを生成してくれます。簡易的なモックアップを作成したい場合などにはうってつけの機能であるため、Webデザイナーもclaude3を使いこなせば大幅な業務効率化を期待できます。
現役のエンジニアはもちろん、これからIT業界への就職を目指してプログラミング学習に取り組んでいる人々にとっても、コードのレビュー・デバッグ機能が備わっているclaude3は学習ツールとしての利用に最適です。簡易的な機能の実装について質問してコードを出力してもらい、「こういう書き方があるのだ」と見て勉強することも可能でしょう。コード生成はもちろん、プログラミングに関して、あらゆる角度で学習できるのがclaude3の強みでもあります。
claude3の日本国内における活用例
claude3はさまざまなコンテンツを生成でき、さらに日本語にも特化しているため、あらゆる面で活用が見込めます。
業務タスクの自動化
たとえば、業務タスクの自動化です。メール送信やデータ入力業務など、ある程度パターン化されている業務には自動化の余地があります。そこでclaude3を導入できれば、確実かつ違和感のない形で業務タスクを代行してくれます。
事務的な作業は単調であるがゆえに、人間が実施するとふとした油断でミスをする可能性も高いです。AIによる作業ではこうしたヒューマンエラーもなくなり、自動化しつつも高精度という一石二鳥を実現できます。
日程調整などのスケジュール管理業務
会議の日程調整やスケジュール管理といった業務も、claude3に自動で提案してもらうことが可能です。プロジェクトメンバー全員のスケジュールをclaude3に連携させておけば、全員の空き時間や前後の予定を踏まえた上で、最適なタイミングで会議やスケジュールを調整してくれるというわけです。予定決めもメンバー間で実際に話し合うとなると時間がかかってしまうため、AIによって自動化できればそれだけ時間も節約できます。
画像認識によるレポート分析
画像認識にも優れているclaude3を使えば、PDF形式でまとめられている膨大なレポートや論文などを解析して、分かりやすい形に要約することも可能です。研究に際してさまざまなレポートや論文を読み込む必要がある場合は、claude3を使って内容を分析・要約してもらうことで、作業時間を大幅に短縮できます。
このように、claude3にはさまざまな機能が搭載されているため、正しい使い方の学習と適切なプラン選択さえできていれば、上手く使いこなすことで業務の大きな助けになってくれます。ただし、生成AIには情報の真偽性などの課題も未だ残っているので、最終的には自分の目で内容を確認して判断する工程も、業務利用の際には忘れないでおきましょう。興味がある方は、まずはサービスに登録して、無料プランの「Sonnet」から触ってみることをおすすめします。