TOPIC

注目のAI関連スタートアップについて調べてみた

生成aiのベンチャー企業

近年、第3次AIブームが到来しており、人工知能(AI)に携わる企業への注目度が高まっています。AIに特化したビジネスを展開する企業は、設立まもないベンチャーが多いですが、すでに多くの大手企業と取引を行うところも少なくありません。最新技術で変化のスピードが非常に速いため、新たなスタートアップが次々と登場し激しい競争を繰り広げています。
生成AI関連のスタートアップ企業は増え続けていますが、本記事では現在多くの企業から信頼され豊富な実績を誇るベンチャー企業を3つ紹介します。特に上場企業の「ABEJA」と「エクサウィザーズ」は、最新動向がすぐ株価に反映されるため、投資家の方たちもぜひチェックしてください。

注目のAI関連スタートアップ①:ABEJA

「ABEJA」は、2012年に設立されたベンチャー企業です。代表取締役社長を務める岡田陽介は現在36歳、会社創業時は弱冠23歳という若さでした。自社独自のプラットフォーム“ABEJA Platform”を通じて、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する事業を展開しています。これまで300社以上のDXを支援してきた実績を持ち、顧客企業の基幹業務にAIシステムを導入してDX化したビジネスプロセスを構築します。
企業のDXニーズに対応したプロフェッショナルサービスを提供する“トランスフォーメーション領域”と、ABEJA Platformを利用して顧客が業務推進する“オペレーション領域”が相互に連携しながら継続して顧客企業に伴走するモデルです。

ABEJA Platformは、データの収集・解析・活用を一元管理できる機能を搭載しています。2つの領域を高速でサイクルさせ、AIシステムを導入した顧客業務の効率的および最適化を図ります。特に小売業界や製造業界に強みを持ち、AIを活用した需要予測や在庫管理によってソリューションを提案します。深層学習を得意とする日本有数のベンチャー企業だと言われており、先日ビッグニュースが飛び出しました。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「競争力ある生成AI基盤モデルの開発」プロジェクトにおいて、大規模言語モデル(LLM)を用いて開発した小型化モデルが、OpenAI社がリリースした「ChatGPT-4」を上回る性能に到達したことが発表されたのです。
ファインチューニングの実行前の段階としながらも、複数の汎用言語性能指標で「ChatGPT-4」の性能を超えたのは、日本企業として画期的な出来事です。この小型化モデルをビジネスプロセスに実装する際には、さらなる精度向上を実現できる見込みだそうです。今後、国内のAI業界を牽引する存在になるのは間違いないでしょう。

注目のAI関連スタートアップ②:ギリア

「ギリア」は、2017年に設立されたソニーグループのAI系ベンチャー企業です。代表取締役社長の齋藤真はソニー入社後、半導体エンジニアとしてキャリアを積み、ソニーコンピュータサイエンス研究所への出向を経て、2017年ギリア設立時から取締役に就任しました。誰でも最先端のディープラーニング(深層学習)技術を自由に使いこなせるようにすることを企業の使命に掲げています。深層学習用ハードウェア「Deep Station」とソフトウェア「Deep Analyzer」をセットで提供し、専門知識が無くともマウス操作だけで深層学習の開発や訓練が可能です。

Deep Analyzerを導入すると、従来は数億円単位のコストを要したビジネスの仮説検証を、数十万円程度で実現できるようになります。さらに、個人レベルでのAI開発環境を普及させ、多くの人が深層学習AIを自分で作り出す社会を目指します。
ギリアが強みを持つ具体的な分野としては、画像解析・深層強化学習・自然言語処理・姿勢(視線)解析・データ解析です。導入事例として、JRA(日本中央競馬会)の競走馬が周回するパドック映像に競走馬専用の姿勢推定モデルを活用して、姿勢から出走馬の状態を比較できる仕組みを構築しました。また、建設現場での工事計画をAIが策定して、全体の計画策定者の業務をサポートできるシステムを構築しています。一括りにAIといっても企業ごとに求めるニーズは異なります。自社特化型AIの導入を容易にしたギリアの技術は高く評価されています。

注目のAI関連スタートアップ③:エクサウィザーズ

エクサウィザーズは、2016年2月に設立された非常に若い会社ながら、2021年12月に東証マザーズ市場に上場を果たしたベンチャー企業です。AIを利活用したサービスによる社会課題解決に取り組んでおり、“exaBase”というプラットフォームを展開するほか、介護や医療分野に特化した“CareWiz”というサービスを展開しています。
特に超高齢化社会の課題を解決するためのAIソリューションに力を入れています。データ管理のセキュリティやユーザビリティを向上させ、プロンプトのテンプレートを用意して知見者がいない企業でも業務効率化を図るべく、様々なサービスを提供します。大手上場企業から自治体まで、官民問わず幅広い業種から選ばれた実績は一目置きたいポイントです。

代表取締役会長にはDeNA前取締役会長の春田真、代表取締役社長はリクルートのAI研究所設立者の石山洸が就任しています。ベンチャー企業ながら、他社で経験豊富な実業家たちが若手を牽引。社会課題を深く理解してAIでソリューションを導くスキルを育成し、企業の競争力を高めています。2025年3月期の2Q決算で創業来初の黒字となり、通期での黒字転換が現在の大きな目標です。

まとめ

2022年にChatGPTがリリースされて以降、生成AI市場は進化が著しく、便利な機能が続々と登場しています。IT分野に関してはアメリカや中国が世界を牽引していますが、日本にも海外に負けず劣らずの高品質なサービスを提供する企業があるのです。一年、いや半年後には勢力図が変わり、また別の企業が台頭しているかもしれません。
AIを最大限活用して業務効率化を実現するには、AIを導入する側の企業も業界動向をキャッチアップすることが重要です。今回紹介した以外にも多数のスタートアップ企業がありますから、ご自身で企業同士を比較してみると面白いですよ。

関連記事

  1. canvaの仕組み

    canvaは画像生成AIとしての利用可能?使い方や機能について徹底解説

  2. 動画生成AIとは

    動画生成AIとは?使い方や注意点を解説

  3. AIとは

    今さら人に聞けない生成AIとは?わかりやすく解説

  4. 生成AIと倫理観

    生成AIと倫理の関係。AI開発者と利用者が考えるべきポイントについて考察してみた

  5. adobe fireflyとは

    adobeでも生成aiが利用可能に!使い方やできることについて徹底解説

  6. 生成aiの世界の利用率

    生成aiの利用率はどれくらい?日本と世界を比べてみた

  7. 生成AIの規制やルール

    生成AIは今後規制されていく?日本での規制の現状と今後について解説

  8. chatGPTとcopilotの違い

    chatGPTとcopilotの違いやそれぞれのメリット、デメリットについて調べてみた

  9. aiモデル

    これからは芸能人も不要に?広告用のモデル(Ai美女)を生成AIで作成する方法を解説

PAGE TOP