現代社会では、就職後も常に学びを続ける姿勢を持つことが肝要となっています。海外転勤がある業種なら語学学習が必要ですし、テクノロジー業界なら最新技術を追って知識をアップデートしなければなりません。資格取得を義務づけている企業なら、資格試験に合格するための勉強が求められます。
とはいえ、学生時代のように参考書を見ながら何時間も勉強するのはもうコリゴリだというのが本音ではないでしょうか。忙しい社会人の方々は、日々の学習を効率よく、なおかつ楽しく進めたいですよね。この記事を読んで、生成AIをあなたの学びに活用してみませんか。
学習ツールに革命を起こす生成AIの活用例
生成AIを学習ツールとして活用すると、多くのメリットを得られます。
①時間・場所を問わない
②理解を深めるプロセスをサポート
③幅広い分野に対応
④模擬問題やクイズを作成
⑤段階に合わせてカスタマイズできる
以下、順を追って解説していきます。
●時間・場所を問わない
生成AIは24時間365日、自分が好きな時に使用することができます。塾に通うなら移動時間がかかり、家庭教師を雇っても業務時間外に教わることはできません。パソコンだけでなくスマートフォンのアプリからも生成AIを利用可能なため、スキマ時間を有効活用できるでしょう。
●理解を深めるプロセスをサポート
学校の授業中、「ちょっと理解できていない部分があるけど、大勢の生徒の前で何回も質問するのは恥ずかしい」と思った経験はありませんか。
人前だと質問を繰り返したり基礎的な内容を訊くのを恐縮してしまいますよね。
生成AIが相手なら、自分が納得するまで何度でも質問することに躊躇せず、しっかり理解を深めることが可能です。
●幅広い分野に対応
受験対策の参考書を揃える場合、教科ごとに教材を購入しますよね。一方、生成AIは膨大な情報を事前学習しており、あらゆる分野の勉強に活用できます。AIツールさえあればすぐに開始でき、すべての人が平等に使えるわけです。
●模擬問題やクイズを作成
参考書の役割にとどまらず、生成AIは模擬問題を作成することができます。自分が学んだ分野、復習したいポイントにあわせて、選択形式のクイズや実際の試験さながらの模擬問題も作れます。分からない部分は再度解説してもらい、改めて問題に挑戦して理解度をチェックしましょう。
●段階に合わせてカスタマイズできる
幅広い世代が学びたい分野、たとえば英語において「中学校のテスト対策」と「TOEIC900点目標」では、難易度がまったく異なります。生成AIを利用する場合、自分がどの程度のレベルなのか、どんな内容を重点的に学びたいのか指定することで、カスタマイズが容易にできます。指示する内容の難易度を段々上げていくと、目指すゴールに近づいている実感を得やすいでしょう。
勉強がはかどる!おすすめの学習向けAIツールを紹介
学習用途に適したAIツールとして、今回はChatGPTとGeminiの2つを紹介していきます。双方とも生成AIを牽引する代表的なツールであり非常に高性能です。あえて棲み分けを行うなら、ChatGPTはテキストや画像(ファイル)に強みを持ち、GeminiはYoutube動画との連携が大きな強みでしょう。
ChatGPTの有料プランに登録すると、過去問のPDFファイルをアップロードして、その内容を読み込ませて模擬試験問題を作成させるといった使い方が可能です。およそ300ページ分の大容量を添付でき、試験対策に有効です。
また、双方のツールとも参考書などの紙媒体を撮影してアップロードすると、OCR機能によって書かれている内容を生成AIが把握します。PDFファイルが無くても普段使用している本の情報を、様々なアウトプットに活かせます。
言語学習において極めて重要となる実践的な会話練習も、ChatGPTやGeminiを活用してください。高度な音声モードを利用し、AIに話しかけると、指定した言語で返答可能です。つまり、英会話などの練習相手になり、困った時には日本語でも対応してくれます。
GeminiはGoogleが開発した生成AIとあって、同じく同社が運営するYouTubeとの相性が抜群です。動画コンテンツを指定し、時間を指定すると該当部分の文字起こしや内容の要約を行ってくれます。昨今は優良な教材がYoutubeにも多数投稿されており、それらを使って勉強したい方はぜひ試してください。
AIが教育界にもたらす影響を考えてみた
学校教師の業務範囲や労働時間が増え、心身の負担が大きい昨今の動向を鑑みると、生成AIの導入は教育業界にメリットが大きいように思えます。しかし実際は、デメリットと表裏一体の部分も少なくありません。主なメリットとして挙げられるのは、以下の5つです。
●採点作業の自動化
●パーソナライズされたカリキュラムを作成可能
●教師の負担軽減
●教育のコスト削減
●24時間いつでも生徒の課題を解決
AIの画像読み込み機能によって、テスト採点をAIに代替させたり、授業の準備をサポートしてもらうなど、教師の負担を軽減するツールとして貢献するのは間違いありません。しかし、誤った情報を出力するリスクを否定できず、教師の質が低下する恐れもあります。
生徒側の立場からみても、時間場所問わずAIに質問したり、解答法を教えてもらえたりと便利な面は多いです。ただ、AIに頼りすぎて思考力が低下する、あるいは論文や感想文、宿題などの課題をAIに丸投げしてそのまま提出するケースも出てくるでしょう。生徒の習熟度を把握しづらくなるかもしれません。教師に質問する機会が減り、コミュニケーション不足に陥ると勉強以外の大事な部分が欠落したまま大人になるのではと懸念も出ています。
まとめ
生成AIを教育現場で活用する際には、適切な管理を徹底し、依存しすぎないことが重要です。自ら積極的に学ぶ意思を身につけるには、やはり自分で学習計画を立て、能動的に学問と向き合う姿勢が求められます。冒頭で述べた通り、現代は大人になってからも学びを継続する必要があり、多忙な合間を縫って勉強する時にAIを活用するのは効率化を図る手段として有効です。どのように活用するのが適切か判断する能力を備えて、生成AIを学びにおける頼もしい味方にしましょう。