AIアシスタントが世の中に普及し始めてから、10年ほどが経過しました。皆さんがお持ちのスマートフォンに搭載されているほか、ビジネスシーンでも活用が進んでいます。その名前は聞いたことがあっても、詳しい仕組みを理解している方は多くないかもしれません。どのような性能の違いがあるかも知っておきたいですよね。
本記事では、AIアシスタントの基本的な仕組みやメリット、代表的なツールを比較するなど、AIアシスタントについて説明します。
AIアシスタントとは？
AIアシスタントは、音声認識技術を利用して、ユーザーからの要求や問いかけに対応して様々なタスクを支援するAI技術・プログラムです。人間の音声を認識し音声で応答するタイプや、チャットボット形式で回答するタイプなど、種類は多岐に渡ります。日常生活において最も有名なAIアシスタントは、iPhoneなどに搭載される「Siri」でしょう。「Hey, Siri」と呼びかけるとSiriが起動して、音声に応じてあらゆるタスクを実行してくれますよね。今では、AmazonやGoogleも同様のAIアシスタントを開発し、性能も飛躍的に進化しています。
一般的に、AIアシスタントを構成する要素は以下の3つです。
●音声認識技術
●自然言語処理
●機械学習
まずマイクを通して音声を機器に取り込み、音声の特徴を抽出しながら、テキストデータに変換します。利便性を向上させるうえで最も重要なのがこの音声認識です。千差万別の音声を正しく把握すべく、ノイズキャンセリング機能が組み込まれています。
自然言語処理は音声認識で取り込んだテキストを解析する技術です。複雑な表現や言い回しも、単語の組み合わせや感情解析からAIが文脈を理解します。ユーザーの要求を正確に掴むことが重要です。
機械学習は大量のテキストデータを学習して、音声認識の精度を高める役割を果たします。ユーザーとの対話を重ね音声の特徴も把握しながら、指示内容を適切に汲み取ることが求められます。
また、データ分析も大切な要素です。ユーザーの好みや使用パターンを認識し、性能を継続的に向上させます。たとえば帰宅後毎日お気に入りの楽曲を再生していると、AIが帰宅時にその楽曲を自動的に流してくれるはずです。音声認識、自然言語処理、機械学習という技術を組み合わせがAIアシスタントの基盤となるのです。
代表的なAIアシスタントを比較してみた
AIアシスタントを大別すると、次の4種類に分けられます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
①会話型AI
②スマートデバイス向けAI
③チャットボットAI
④車載アシスタントAI
会話型は、ChatGPTなどが該当します。語学学習に活用したり、介護施設で高齢者の話し相手になるケースがあります。文字通り人間との会話を目的としたシステムです。
スマートデバイス向けは、iPhoneの「Siri」やAndroidに搭載される「Googleアシスタント」、Amazonが開発したスマートスピーカー「Alexa」が代表例です。日常生活でスマホやタブレットに話しかけると、アプリの起動・設定、情報や画像の検索、カレンダーに登録した予定の確認などができます。人間の代わりにAIがあらゆる操作を行ってくれるので無駄な時間を削減可能です。
チャットボットAIはビジネスシーンで活用が広まっています。24時間対応のカスタマーサポートや問い合わせ窓口に導入すると、人件費削減や顧客満足度向上につながります。
車載アシスタントは自動車に搭載されるAIで、カーナビが最適なルートを提案してくれるのもその一つです。将来的には、自動運転を実現するためにさらなる精度の向上が期待される分野です。リアルタイムの交通情報をもとにルートを変更したり、ハンズフリー運転をアシストするなど、快適な運転をもたらします。安全性や正確性が強く要求されるため、現在も日々研究開発が行われています。
AIアシスタントは自作も可能？事例を解説
SiriやAlexaのようなAIアシスタントを自作してみたいと考えたことはありませんか？従来ですとAI開発には高度なプログラミングスキルが必要でした。ところが、コーディング知識ゼロでもAIを構築できる画期的なプラットフォーム「Dify」が登場しました。
Difyは、大規模言語モデル（LLM）とワークフローを組み合わせて、コードを一切書かなくても簡単にオリジナルAIを作成できるのです。フローごとにブロックが用意され、それらをつなぎ合わせるだけです。ブロックをドラッグで移動させ、パズルのように組み立てるなら、誰でも簡単にできますよね。
一例として、カスタマーサポートを自動化するチャットボットを作る場合、問い合わせのブロックを最初に置いて、内容分析や回答作成のブロックをつなぎ、最後に回答送信のブロックを配置すると、AIチャットボット出来上がりです。顧客対応サービスに限らず、SNSのトレンド分析、市場トレンド予測、文章作成など多様な使い方が可能です。プログラムの知識不要でAIを作成できるなら、誰もが独自AIを構築してビジネスや日常生活で活用する社会が到来するかもしれません。Difyは現在も進化を続けており、どんどん便利になっています。AIに興味があるなら一度試してみましょう。
まとめ
AIアシスタントは音声認識技術が進化したおかげで、私たちの様々な要求に応じることが可能です。「Alexa」のようなスマートスピーカーは日常生活のちょっと面倒な作業を代替する点が便利ですが、さらに性能が向上すると家主が不在の間にAIが自動的に様々な家事を実行するようになるかもしれません。
スマートフォン用のアシスタントは、まだ人間の音声を一部聞き取れなかったり誤認識するケースがあるものの、精度が上がれば長文でもきちんと理解でき文字入力の手間が不要になる可能性もあります。長い文章をフリック入力するのは疲れますので、音声で伝える方が速いですよね。身の回りのサポート役としてAIアシスタントを導入してみてはいかがでしょうか。
