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chatGPTの検索エンジン・Deep Researchについて調べてみた

deep researchとは

2025年2月、アメリカのOpenAI社はChatGPTの新機能として「Deep Research」をリリースしました。当初は月額200ドルのProプランに限定されていたものですが、2月末からChatGPT Plusプラン(月額20ドル)のユーザーにも公開され、利用者が急増中です。
ところで、「Deep Research」は一体どんな便利機能なのか、気になりますよね。標準版のChatGPTも情報検索に優れたツールであり、どのような違いがあるのか関心をお持ちだと思います。
本記事では、リリース間もない「Deep Research」について詳しく説明します。

Deep Researchとはどんな検索エンジン?

Deep Researchは、インターネット上などの情報を自動でまとめて、詳細なレポートを作成してくれる革新的なAIエージェントです。人間が複数のサイトにアクセスして有益な情報を抽出しながら分析を行って文章に落とし込む作業には、数時間あるいは数日を要しました。一方、この新機能を活用すれば、1万字を超えるレポートも最短10分程度で出力されるので大変驚きです。
Deep Researchの仕組みについて解説すると、事前学習によって調査プロセスを習得しています。搭載モデルはOpenAIの最新モデル「o3」です。数百のオンラインソースを検索して、テキストや画像・PDFファイルに至るまであらゆる情報を自動で収集します。集めた情報を整理しながら分析を行い、信頼性が高いものを選びながら、統合していきます。検索、分析、統合というプロセスをワンストップで実現し、包括的なリサーチレポートを生成してくれるわけです。WEBブラウジングやPythonコード実行、PDF解析に最適化された設計になっており、効率的に作業を進めてくれます。

Deep Researchが出力した文章には、情報の引用元が明確に表記される点も重要です。複数ソースから得られた情報を、どのサイトの内容を抽出したのか一目で確認可能です。あわせて推論の根拠も提示します。
Deep Researchの性能を示す主なベンチマークとして、実世界の質問に基づいてAIを評価する「GAIA」は正答率が63.64%から72.57%へ向上したと公表しています。また、専門家レベルの質問に対しAIが回答した内容を評価する「Humanity’s Last Exam」によれば、Deep Research は26.6%(従来モデルの平均正答率9.1%)という高精度を示したそうです。

deep researchの使い方について解説

Deep Researchを利用するためには、まずChatGPTの有料プラン(ChatGPT Pro、Plus、Teamなど)に登録します。アカウントにログインしたら、プロンプト入力箇所の下部に「Deep Research(日本語表記では“詳細なリサーチ”)」というボタンが表示されます。それをクリックすると検索を開始します。

プロンプトには、調査して欲しい内容を具体的に記入してください。具体性が高い方が情報源をより厳選して、テーマに沿ったレポートを出力しやすくなります。
開始するとサイドバーが自動的に立ち上がり、レポート作成の手順やソース元の概要などをあらかじめ説明してくれます。完了までにかかる時間は5~30分程度。テーマによって時間がかかる場合もありますが、待ち時間には別の作業を行って構いません。レポートが仕上がると通知が届くので安心です。
ChatGPT無料版のユーザーは現時点でDeep Researchを使用できません。無料版にも将来公開する計画はあるとOpenAI社のサム・アルトマンCEOは述べています。

deep researchとchatGPTはどう使い分けるのが良い?

ChatGPTには、「ChatGPT search」という機能も備わっています。こちらは2025年2月から全ユーザーに公開され、ログインせずに利用できる環境となりました。既存のChatGPTと新たに登場したDeep Research、どんな風に使い分けて活用すべきなのでしょうか。

まず標準のChatGPTは語学学習や翻訳・要約など、事前学習した膨大なデータを基にする分野が得意です。たとえば英単語の意味が突然変わることはなく、一度学習させれば正しい回答を何度でも生成できます。法律や歴史に関しても同様です。ほかに長文を要約するといった作業も素早くこなします。
「ChatGPT search」は、最新の情報をオンラインソースから検索して回答するツールです。時事ニュース、天気、株価など常に最新の情報が求められる分野で役立ちます。情報源を明記する機能もあるため、本当に正しい情報か人間の目で判断することも可能です。
そしてDeep Researchは、短時間で調べることが難しい、より専門的で複雑な質問やレポート作成に優れています。収集した情報を基に推論や考察を要し、将来を予測したり特定の答えが存在しない問いかけも熟考して回答を生成します。
ただし、文章を出力するのに最低でも5分以上必要です。簡易な調べ物やすぐに回答が欲しい場合にDeep Researchはむしろ不向きでしょう。

まとめ

Deep Researchはすでに多くの利用者から反響を呼んでいます。「数分でここまでまとめてくれるなら今までの概念変わりそう」「これは人間のリサーチレベルを超えている」と精度の高さに圧倒されたと評する声も非常に多いです。人間が数時間または数日かかる作業を30分以内に完了できるなら、それだけ業務効率化につながり、ビジネスシーンでの活用も増えるはずです。さらなる機能向上や信頼性の確保が実現すると、リサーチャーやコンサルタント職を代替する脅威となるかもしれません。

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